Lab. Hygienic Sci.
Kobe Pharm. Univ.
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Research
私たちの体は、様々な刺激を受けて変化します。例えば、損傷に対する修復反応、毒性化学物質による障害と修復、栄養状態に対する生体機能の変化、妊娠やストレスといった生体環境変化に対する応答が挙げられます。このような外因的・内因的な要因に対する私たちの体の変化を調べ、どのようにして健康が維持されるのか明らかにするため、研究しています。特に血管系・神経系・免疫系の相互作用に注目しています。
1. 生体環境変化による免疫機能への影響の解明とその防止法の開発
ストレスは、免疫機能の低下に繋がります。一次リンパ組織である胸腺、二次リンパ組織である脾臓やリンパ節は、様々なストレスによって、その形態や機能が変化します。このようなストレスによる免疫器官の変化を司る細胞種や分子機構を解明し、その制御機構を開発することで、ストレスに強い身体作りと健康寿命の延伸につながる方策の開発を目指します。
2. エタノールによる神経・免疫毒性の解明とその防止法の開発
エタノールはお酒に含まれる成分であり、人類にとって最も身近な毒性化学物質です。エタノールによる健康被害は、特に子供を含む若年層で顕著なため(胎児性アルコール症候群など)、毒性機構の解明は健康な社会づくりに重要です。エタノールの毒性影響に関わる細胞種と分子機構を明らかにすることで、不適切な飲酒・意図しないアルコール曝露による健康被害の防止と治療法開発を目指します。
3. 脳梗塞の病態進行機構の解明とそれを抑える方法の開発
脳梗塞を含む脳血管疾患は、日本人の死因第4位です。脳梗塞の病態を理解し、予後の改善を促進することは、現在の日本にとって重要な課題です。私たちは、光血栓性脳梗塞モデルを用いて、脳梗塞の病態進行機構を明らかにし、その進行を抑え予後の改善を促進する方策の開発を目指しています。