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Publications

Hiroshi Hasegawa, Mitsuki Daito, Mari Kondo, Kei Nakayama

BPB Reports 6 (6): 209-216 (2023)

5年生の大藤君が実務実習の合間に手伝ってくれることで、完成させることができた原著論文。

アルコール性末梢神経障害は、アルコール依存症の患者さんなどで手足の痺れが出る症状です。しかし、なぜ不適切なアルコール摂取が痺れを引き起こすのかは全く分かっていません。本研究では、アルコール摂取が三叉神経節に対してどのような影響を与えるかを解析し、血管の形態が変化することを明らかにしました。

この三叉神経節の血管の変化は、大脳皮質の血管に対する影響(Hasegawa et al. (2022) Toxicol. Res.)とよく似た結果でした。アルコールを飲み過ぎると、全身の血管が同じようにぐにゃぐにゃになっているのかもしれません。

Astrocytic Responses to Binge Alcohol Intake in the Mouse Hindbrain 

Hiroshi Hasegawa, Mari Kondo

Biological and Pharmaceutical Bulletin 46(9): 1194-1202 (2023)

昨年、Toxicological Researchに発表した論文の続報と言える原著論文。

グリア細胞の一種であるアストロサイトは、いろいろなサブタイプに分類され、また脳内の部位によっても性質が異なることが知られています。今回の論文では、そうした様々なタイプのアストロサイトが、過剰の(不適切な)アルコール摂取に対して異なる応答を示すことを明らかにしました。

また、女性ホルモンであるエストラジオールが、アストロサイトに対するエタノールの作用を軽減する可能性を示しました。一般的には女性の方が男性よりお酒に弱いと言われていますが(体液量が少ないので許容量が少なく、また肝臓も小さいので代謝が遅いため)、中にはとてもお強い女性がいらっしゃいます。こうした方々がなぜお酒に強いのか、その秘密の一端に触れているのかもしれません。

 

Different Properties of Involuted Thymus upon Nutritional Deficiency in Young and Aged Mice 

Kei Nakayama, Mari Kondo, Tomoko Okuno, Nurhanani Razali, Hiroshi Hasegawa

Biological and Pharmaceutical Bulletin 46(3): 464-472 (2023)

低栄養下での胸腺退縮が加齢によって異なるのかを解析した原著論文。

​胸腺は、低栄養のほか、加齢やメンタルストレス、妊娠など様々な刺激で退縮しますが、これらの要因の複合曝露がどのように影響するのかは全く分かっておらず、これからの大きな研究課題だと考えています。本論文では、加齢による胸腺退縮と低栄養による胸腺退縮の違いを明らかにしました。

​マウスの寿命は一般的に2年と言われていますが、4カ月齢くらいで加齢による胸腺退縮がはっきりと見られており、思ったより老化が早いということを痛感した仕事でした。(長谷川や中山先生の胸腺は、もう跡形もなく消えているかもしれません。。)

 

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