Lab. Hygienic Sci.
Kobe Pharm. Univ.
Publications

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Activation of Macrophages Mediates Dietary Restriction-Induced Splenic Involution
Kei Nakayama, Takeshi Yoshida, Yoshiaki Nakayama, Noriaki Iguchi, Yuta Namba, Morichika Konishi, Hiroshi Hasegawa.
Life Sciences, Doi: 10.1016/j.lfs.2022.121068 (2022).
中山先生の渾身の原著論文。
低栄養下では免疫組織である脾臓が退縮するという、極めて基本的で大切なことでありながら、これまで見逃されてきた点を明らかにしました。栄養が不十分な時には感染症の罹患や発がんのリスクが上昇しますが、そのメカニズムの一端を提唱できたと考えられます。また、この低栄養下における脾臓の退縮には脾臓内の特定の組織マクロファージが関与することも示し、基礎免疫科学的にも面白い知見を提供することができました。
重要な点がシンプルにまとめられており、中山先生のスマートさがよく分かる美しい論文です。
Characterization of Astrocytes in the Minocycline-Administered Mouse Photothrombotic Ischemic Stroke Model
Mari Kondo, Haruka Okazaki, Kei Nakayama, Hirofumi Hohjoh, Kimie Nakagawa, Eri Segi-Nishida, Hiroshi Hasegawa.
Neurochemical Research, Doi: 10.1007/s11064-022-03703-z 22 (2022).
卒業研究生の岡崎さんが手掛けていたテーマを、近藤さんが綿密な解析で発展させてくれた原著論文。
脳梗塞が起きた部位では、活性化されたミクログリアがアストロサイトの反応性を抑えているということを示しました。また、ミクログリアがアストロサイトのFatty acid binding protein 7 (FABP7)の発現を制御しており、それが脳梗塞部位の炎症反応を制御している可能性を示唆することが出来ました。
Reviewerからの指摘が厳しく、諦めてしまいそうでしたが、近藤さんが頑張ってくれたおかげで良い論文にすることができました。
Malnutrition-Induced Involution of Lymph Nodes in Mice
Hiroshi Hasegawa, Kei Nakayama
BPB Reports 5 (6): 133-139 (2022).
中山先生がLife Sciencesに発表した脾臓の論文の続報(原著論文)。
食事制限がリンパ節の退縮を引き起こすことを示しました。欠食が組織の退縮を引き起こすという点では脾臓もリンパ節も胸腺も同じですが、その中で起きていること(メカニズム)はそれぞれ違っているようです。リンパ節は脾臓や胸腺に比べて構造がシンプルであること、また免疫応答の前線基地であることから、とても面白い組織だと感じました。
Hiroshi Hasegawa, Mari Kondo, Kei Nakayama, Tomoko Okuno, Nobuyuki Itoh, and Morichika Konishi
Biological and Pharmaceutical Bulletin 45 (12): 1791-1797 (2022).
Neudesinノックアウトマウスの精巣における表現型を解析した原著論文。同じ神戸薬科大学の微生物化学研究室 小西先生と、京大の伊藤先生との共同研究です。
このKOマウスの精巣が小さいことを発見した時には、大きな発見をした!と歓喜したのですが、、、 残念ながら、生殖機能に全く異常が見られず、精巣が小さいことの意味が分からなかったという少し残念な結果に終わってしまいました。
とはいえ、まだ次の解析に繋げていくつもりですし、長谷川が筑波大学で精巣の勉強をさせていただいたことの成果が出た論文だと思います。当時、私を教えて くださった馬場忠先生、野口純子先生には感謝しかありません。
Biol Pharm Bull誌のFeatured articleに選ばれ、またこの号の表紙にもなりました。
Blood Vessel Remodeling in the Cerebral Cortex Induced by Binge Alcohol Intake in Mice
Hiroshi Hasegawa, Toshiya Tanaka, Mari Kondo, Koji Teramoto, Kei Nakayama, Gi-Wook Hwang
Toxicological Research 39 (1): 169–177 (2022).
不適切な(!)アルコール摂取が、大脳皮質の血管構造に影響を与えるということを示した原著論文。
卒業研究生の田中寿弥君が最後に手掛けてくれていた仕事を、近藤さんにお手伝いいただいてまとめることができました。毒性学分野の論文は初めてだったので、東北医科薬科大学の黄基旭先生にもとても助けていただきました。
Blood Vessels as a Key Mediator for Ethanol Toxicity: Implication for Neuronal Damage
Kei Nakayama, Hiroshi Hasegawa
Life 12 (11): 1882 (2022).
アルコール(お酒)の過剰な摂取は神経障害を引き起こしますが、そのメカニズムとして血管の関与が重要なのではないかということを提唱した総説論文。
神戸学院大学の水谷先生が音頭を取り、Neuro-Vascular研究会のメンバーを中心にLife誌に組んだ特集号に寄稿しました。中山先生がEditorの1人として頑張ってくれました。
のちに発表することになるToxicological Researchの論文を先に出してから、こちらの総説を出したかったのですが、締切の関係でこちらが先になってしまいました。とはいえ、中山先生のご尽力のおかげでうまく要点をまとめられたので、いろいろなところで引用しやすい良い総説に仕上がっていると思います。この総説は主にメカニズムに絞って書いたので、いずれはアルコールの摂取による病態を中心に扱った総説をあらためて書ければと思います。